1.概要
嗅覚障害(きゅうかくしょうがい)とは、においを感じ取り脳で認識する機能が低下または失われる状態を指します。鼻の最上部(嗅裂〈きゅうれつ〉)には嗅上皮という組織があり、そこに存在する嗅細胞がにおい分子をキャッチして脳へ信号を送ります。しかし、鼻や副鼻腔の病気などでにおい分子が嗅裂まで届かない場合や、嗅細胞そのものがウイルスなどにより損傷を受けた場合に、嗅覚障害が生じます。
2.症状
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においを感じにくい・わからない:軽度から重度までさまざまな程度があり、まったくにおいがわからない場合(嗅覚脱失)もあります。
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味覚の変化:食事の風味が感じられなくなり、食欲が低下することがあります。
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日常生活への影響:危険を知らせるにおい(ガスや焦げなど)に気づきにくくなるため、事故やトラブルのリスクが高まります。
3.原因
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鼻の通り道の問題:かぜ、アレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔炎、鼻中隔彎曲症(わんきょくしょう)などにより、におい分子が嗅裂まで届かない。
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嗅細胞の損傷:かぜのウイルスや有害物質などで嗅細胞自体がダメージを受けると、重度の嗅覚障害が起こることがあります。
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加齢や神経変性疾患:高齢者やパーキンソン病、アルツハイマー病などの神経疾患でも嗅覚障害がみられる場合があります。
4.診断
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耳鼻咽喉科での視診・内視鏡検査:鼻腔内や嗅裂の状態、炎症やポリープの有無を確認します。
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画像検査(レントゲン・CT・MRIなど):副鼻腔炎や鼻中隔の形態異常、神経の異常などを調べるために行います。
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嗅覚検査:
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アリナミンなどにおいのある注射薬を静脈注射し、においを感じるかどうかを評価する。
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さまざまなにおいを異なる濃度で提示し、嗅ぎ分け能力を確認する。
5.治療
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原因疾患の治療:鼻炎や副鼻腔炎、鼻中隔彎曲などが原因の場合、その治療(投薬、手術、鼻処置など)を行うことで嗅覚が回復する場合があります。
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薬物療法:ステロイドの点鼻薬や内服薬を使用し、粘膜の炎症を抑えて嗅細胞へのダメージを軽減します。長期使用には副作用があるため、医師の指導のもとで行います。
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リハビリテーション:においを意識的に嗅ぎ分ける訓練(嗅覚トレーニング)を行い、嗅覚機能の改善を図る場合があります。
嗅覚障害は日常生活の質を大きく左右する疾患です。においがしない、感じにくいといった症状が続く場合は、早めに耳鼻咽喉科を受診し、適切な検査と治療を受けることが大切です。