扁桃周囲膿瘍
1.概要
扁桃周囲膿瘍(へんとうしゅういのうよう)とは、扁桃炎が進行して扁桃のまわり(周囲組織)に膿がたまった状態を指します。強いのどの痛みや腫れを伴い、食事がとれなくなるほど症状が悪化することもあります。適切な治療が遅れると重症化する可能性があり、入院治療が必要になる場合もあります。
2.症状
- のどの激しい痛み:唾を飲み込むだけでも強い痛みが走り、しばしば食事や水分摂取が困難になる
- 開口障害:口が開きにくくなるため、発話や食事がしづらい
- 耳の痛み:のどの神経が耳に連動しているため、痛みが耳にまで広がることがある
- 発熱・倦怠感(けんたいかん):炎症と感染により、全身的なだるさや高熱を伴う場合がある
- 扁桃周囲の腫れ:口の中を見ただけではわかりづらい場合もありますが、周囲組織が赤く大きく腫れることが多い
3.原因
- 細菌感染の進行:主に扁桃炎がこじれて周囲組織にまで炎症が広がり、膿がたまる
- 体調不良や免疫力低下:疲労やストレスなどで免疫が低下していると、急性扁桃炎が悪化しやすくなる
- 再発傾向:一度発症すると、再発を繰り返す場合がある
4.診断
- 問診・視診:のどの痛みの強さ、食事の摂取状況、口が開けにくいかどうかなどを確認
- 咽頭鏡・内視鏡検査:のどの奥を直接観察し、扁桃や周囲組織の赤みや腫れ、膿の有無を調べる
- 画像検査(CTなど):膿の広がりや正確な位置が把握しづらい場合に行い、重症度を判断
- 血液検査:炎症反応の程度や感染の指標となる白血球数などを測定
5.治療
- 切開排膿:腫れている部分を切開して膿を排出し、炎症を緩和させる
- 抗菌薬の使用:点滴や内服で細菌感染を抑える。症状が重い場合は入院が必要
- 痛みや発熱への対処:鎮痛解熱薬や点滴で症状を緩和し、食事や水分の補給をサポート
- 再発予防:再発を繰り返す場合は、扁桃摘出手術を検討する
- 生活指導:免疫力の維持・向上を図るために、睡眠や栄養バランスに気を配る
のどの強い痛みが長引いたり、食事が困難なほど痛みが悪化しているときは、ただちに耳鼻咽喉科を受診してください。早期に適切な治療を行うことで重症化を防ぎ、再発リスクを減らすことができます。
