睡眠時無呼吸症候群
1.概要
睡眠時無呼吸(すいみんじむこきゅう)とは、睡眠中に呼吸が止まる、あるいは極端に弱くなる状態を指します。これを一晩のうちに繰り返す「睡眠時無呼吸症候群」では、成人の場合、日中の強い眠気や集中力の低下だけでなく、高血圧や心不全などの心血管系疾患を引き起こすリスクが高まるとされています。小児でも夜尿や成長障害、学習能力の低下などを招く場合があるため、注意が必要です。
2.症状
- いびき:閉塞性睡眠時無呼吸では、のどが狭くなることでいびきが起こりやすい
- 日中の眠気・集中力低下:夜間に呼吸が止まるため熟睡できず、日中の活動に支障をきたす
- 起床時の頭痛や口渇:酸素不足や口呼吸が原因で、朝の不快感が強い場合がある
- 夜間の呼吸苦:呼吸が止まる、苦しそうに呼吸をしている様子が見られる
- 小児の症状:夜尿、成長障害、注意散漫、学習能力低下など
3.原因
- 閉塞性睡眠時無呼吸(OSA):顎やのどの形状、扁桃肥大、アデノイド肥大、肥満などで気道が狭くなり、睡眠時に呼吸が止まりやすくなる
- 中枢性睡眠時無呼吸:脳の呼吸中枢の働きが低下するために起こる(頻度は低い)
- 混合性睡眠時無呼吸:上記2つの要因が合わさっているケース
4.診断
- 問診・視診:いびきの有無、日中の眠気の程度、肥満度などを確認
- 睡眠検査(ポリソムノグラフィ):専用の機器を用いて睡眠時の呼吸や脳波、心拍数などを測定し、無呼吸の回数や程度を評価
- 耳鼻咽喉科での診察:鼻やのどの状態を内視鏡などで詳しく確認し、気道狭窄の原因を特定
- 小児の場合:アデノイドや口蓋扁桃の肥大を疑い、咽頭部を重点的に検査
5.治療
- CPAP(シーパップ)療法:睡眠時に鼻や口にマスクを装着し、気道に空気を送り込んで狭窄を防ぐ方法
- マウスピース(口腔内装置):下顎を前に出して気道を広げる仕組みで、軽症~中等症の閉塞性睡眠時無呼吸に適用
- 外科手術:のどの形状を広げる手術、扁桃やアデノイドの切除など。最近は舌下神経電気刺激装置を体内に埋め込む方法も行われる
- 小児の手術:アデノイドや口蓋扁桃肥大が原因の場合、切除術により呼吸が改善することが多い
- 生活習慣の改善:肥満がある場合、減量や運動療法を行い、気道への圧迫を軽減
睡眠時無呼吸症候群は放置すると生活の質を低下させるだけでなく、重篤な合併症のリスクを高める恐れがあります。成人・小児ともに、いびきや夜間の呼吸異常が気になる場合は、早めに耳鼻咽喉科を受診して検査・治療を受けることが大切です。
