1．概要

舌白板症（ぜつはくばんしょう）とは、舌の粘膜に白く厚く見える斑状の病変が現れる状態です。これは慢性的な刺激や喫煙、アルコールなどの生活習慣が関与していることが多く、潜在的に前癌状態である場合もあるため、注意深い経過観察と適切な治療が求められます。

2．症状

• 白い斑点の出現：舌の表面に白色の斑状病変が見られ、擦っても取れません。
• 無症状の場合が多い：初期段階では痛みや不快感がほとんどないことが多いですが、
• 違和感や軽い灼熱感：進行すると舌に違和感や軽度の痛み、灼熱感を感じることがあります。

3．原因

• 喫煙・飲酒：タバコの煙やアルコールによる慢性的な刺激が大きな要因です。
• 慢性的な口内刺激：不適切な義歯や口内炎など、長期間の物理的・化学的刺激。
• ウイルス感染：ヒトパピローマウイルス（HPV）など、ウイルスの関与が指摘される場合もあります。
• その他：遺伝的素因や免疫力の低下も関与する可能性があります。

4．診断

• 視診・触診：口腔内を直接観察し、白い斑状病変の有無、形状、広がりを評価します。
• 生検：必要に応じて病変部から組織を採取し、顕微鏡で異形成（前癌状態）の有無を確認します。
• 画像検査：場合によっては、病変の深達度や周囲組織との関係を調べるために、追加の検査が行われることがあります。

5．治療

• 原因の除去：喫煙や過度な飲酒の改善、口腔内の衛生管理の徹底が基本です。
• 外科的切除：病変が拡大したり、異形成が認められた場合、レーザー切除や冷凍療法などで病変部を除去します。
• 定期的な経過観察：再発や悪性化のリスクを見極めるために、定期検診が重要です。
• 生活習慣の改善指導：健康的な生活習慣の確立をサポートし、リスク因子の管理を行います。

舌白板症は早期発見・早期治療が非常に重要です。口内に異常な白い斑点が見られる場合は、自己判断せずに耳鼻咽喉科または口腔外科の専門医にご相談ください。