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鼻がのどに流れる

「鼻水がのどに流れ込んでくる感じがする」「のどにへばりついた感じがして不快だ…」このように感じることはありませんか? これは「後鼻漏(こうびろう)」と呼ばれる症状で、多くの人が経験する不快な症状の一つです。

後鼻漏とは?

後鼻漏とは、鼻水が鼻の前方ではなく、のどの奥に流れ込んでくる状態を指します。通常、鼻水は鼻の穴から排出されますが、何らかの原因で鼻水が過剰に分泌されたり、粘り気が強くなったりすると、のどの奥に流れ込んでしまうことがあります。

後鼻漏のメカニズム

私たちの鼻の奥には、鼻腔(びくう)という空間があり、その周りには副鼻腔(ふくびくう)という空洞がいくつか存在します。これらの粘膜からは、常に粘液が分泌されており、この粘液は鼻の粘膜を潤し、細菌やウイルスなどの異物を捕獲する役割を担っています。通常、この粘液は鼻の穴から排出されますが、何らかの原因で粘液の量が増えたり、粘り気が強くなると、のどの奥に流れ込みやすくなり、後鼻漏を引き起こします。

後鼻漏の原因

後鼻漏の原因は様々ですが、主な原因として以下のものが挙げられます。

1.鼻の病気

  • アレルギー性鼻炎:花粉やハウスダストなどのアレルギー物質によって鼻の粘膜が炎症を起こし、鼻水が過剰に分泌されると、後鼻漏を引き起こしやすくなります。
  • 副鼻腔炎(蓄膿症):細菌やウイルス感染によって副鼻腔に炎症が起こると、膿のような粘り気のある鼻水が大量に分泌され、後鼻漏を引き起こします。特に慢性副鼻腔炎では、後鼻漏が慢性的に続くことがあります。
  • 急性鼻炎(風邪): ウイルス感染によって鼻の粘膜が炎症を起こし、鼻水が過剰に分泌されることで、後鼻漏が起こることがあります。

2.鼻の奥(上咽頭)の炎症

  • 鼻の奥の粘膜(上咽頭)が炎症を起こすと、鼻水がのどに流れやすくなり、後鼻漏を引き起こすことがあります。

3.その他:

  • 加齢:加齢に伴い、鼻の粘膜の機能が低下し、鼻水がのどに流れ込みやすくなることがあります。
  • 乾燥:鼻の粘膜が乾燥すると、鼻水が粘り気を帯びて、のどにへばりつきやすくなることがあります。
  • 薬の副作用:一部の薬の副作用として、鼻水が増え、後鼻漏を引き起こすことがあります。

後鼻漏と咳の関係

後鼻漏は、咳の原因となることがあります。鼻水がのどに流れ込むと、気管や気管支を刺激し、咳反射を引き起こします。特に、慢性的な咳の原因として、後鼻漏は重要な要素の一つです。

後鼻漏の検査と診断

後鼻漏の原因を特定するために、耳鼻咽喉科では以下の検査を行います。

  • 問診:いつから症状が出始めたか、どのような症状があるか、他の症状を伴うかなどを詳しくお聞きします。
  • 鼻鏡検査:鼻の穴の中を観察し、鼻の粘膜の状態や鼻水の性状などを確認します。
  • 内視鏡検査:必要に応じて、鼻の奥を内視鏡で観察し、上咽頭や副鼻腔の状態を詳しく調べます。
  • レントゲン検査・CT検査:必要に応じて、鼻や副鼻腔のレントゲン検査やCT検査を行い、炎症や異常がないかを確認します。
  • アレルギー検査:アレルギー性鼻炎が疑われる場合は、血液検査や皮膚検査を行います。
  • 鼻汁検査:鼻水の中に細菌や真菌がいるかを調べる検査です。

後鼻漏の治療法

後鼻漏の治療は、原因によって異なります。

1.アレルギー性鼻炎が原因の場合

  • 抗アレルギー薬:アレルギー反応を抑える薬を内服します。
  • ステロイド点鼻薬:鼻の粘膜の炎症を抑える点鼻薬を使用します。
  • アレルギーの原因物質を避ける:花粉やハウスダストなどのアレルギーの原因物質をできるだけ避けるようにしましょう。

2.副鼻腔炎が原因の場合

  • 抗菌薬:細菌感染が原因の場合は、抗菌薬を使用します。
  • ステロイド薬:炎症を抑えるために、ステロイド薬を使用します(内服薬や点鼻薬)。
  • 粘液溶解薬:粘り気のある鼻水を排出しやすくする薬を使用します。
  • 鼻洗浄:生理食塩水などで鼻を洗浄し、鼻の中を清潔に保ちます。
  • ネブライザー療法:薬液を霧状にして鼻やのどに吸入させ、炎症を抑えます。
  • 手術:薬物療法で改善しない場合は、手術で炎症を起こしている副鼻腔をきれいにしたり、鼻の通りを良くしたりします。

3.上咽頭の炎症が原因の場合

  • 炎症を抑える薬: 炎症を抑える薬を内服または吸入します。

4.共通の治療法

  • 鼻洗浄(鼻うがい): 生理食塩水で鼻の中を洗浄し、鼻水を洗い流します。
    • 注意点: 鼻うがいの際は、洗浄液の温度、食塩水の濃度、やり方などを間違えると、鼻の粘膜や耳を痛める可能性があるため、必ず医師の指導のもとで行うようにしましょう。
  • 加湿: 部屋の湿度を適切に保ち、鼻の粘膜が乾燥するのを防ぎます。
    • 水分補給: こまめに水分を補給し、鼻水の粘り気を少なくします。

まとめ

後鼻漏は、多くの方が経験する症状ですが、放置すると症状が悪化したり、日常生活に支障をきたすことがあります。後鼻漏が気になる場合は、自己判断せずに早めに耳鼻咽喉科を受診し、適切な診断と治療を受けるようにしましょう。

(お困りの際は、当院までご相談ください。適切な対応をさせていただきます。)

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