くしゃみが出る
「ハクション!」と突然出るくしゃみ。誰もが経験する生理現象ですが、時に頻繁に出たり、他の症状を伴うと、少し気になることもあるでしょう。くしゃみは、鼻の中の異物を外に排出するための、私たちの体の防御反応の一つです。
くしゃみのメカニズム
くしゃみは、鼻の粘膜にある知覚神経が刺激されることで起こります。刺激が脳に伝わると、脳は体を動かす指令を出し、一連の反応が起こります。
- 刺激の感知:鼻の粘膜にある知覚神経が、異物や刺激を感知します。
- 脳への信号伝達:知覚神経からの信号が脳に伝達されます。
- 反射運動の開始:脳からの指令によって、胸の筋肉、横隔膜、喉の筋肉などが収縮し、勢いよく空気を吐き出します。
- 異物の排出:強い空気の力で、鼻の中の異物を外に排出します。
くしゃみの主な原因
くしゃみの主な原因は、以下の通りです。
1.感染症によるくしゃみ
- 風邪(急性鼻炎): ウイルス感染によって鼻の粘膜が炎症を起こし、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、喉の痛み、咳、発熱などの症状が出ます。
- 補足:風邪の場合は、くしゃみ以外にも、だるさや熱っぽさを伴うことが多いです。
2.アレルギーによるくしゃみ
- アレルギー性鼻炎:花粉、ハウスダスト、ダニ、ペットの毛などのアレルギー物質に反応して、鼻の粘膜が炎症を起こし、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状が出ます。
- 補足:アレルギー性鼻炎の場合は、くしゃみ、鼻水、鼻づまりが同時に起こることが多いです。
- 花粉症:スギやヒノキなどの花粉が原因で、アレルギー性鼻炎の症状(くしゃみ、鼻水、鼻づまり)に加え、目のかゆみや充血を伴うことがあります。
- 補足:花粉症の場合は、鼻や目のかゆみを伴うことが多いです。
3.その他の原因によるくしゃみ
- 温度変化:急激な温度変化によって、鼻の粘膜が刺激され、くしゃみが出ることがあります。
- 刺激物:香辛料、タバコの煙、香水などの刺激物が、鼻の粘膜を刺激して、くしゃみが出ることがあります。
- 日光:日光を浴びることで、くしゃみが起こる人もいます(光くしゃみ反射)。
- 精神的なストレス:ストレスが溜まると、自律神経のバランスが乱れ、くしゃみが出やすくなることがあります。
- 特定の薬:一部の薬の副作用として、くしゃみが起こることがあります。
くしゃみに関連する病気
くしゃみは、以下のような病気と関連することがあります。
- 風邪(急性鼻炎): ウイルス感染による鼻の炎症で、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、喉の痛み、咳、発熱などの症状を伴います。
- アレルギー性鼻炎:アレルギー物質に反応して鼻の粘膜が炎症を起こし、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状が出ます。
- 花粉症:スギやヒノキなどの花粉が原因で、アレルギー性鼻炎の症状(くしゃみ、鼻水、鼻づまり)に加え、目のかゆみや充血を伴うことがあります。
- 血管運動性鼻炎:自律神経の乱れによって、鼻の粘膜が過敏になり、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状が出ます。
- 副鼻腔炎:鼻の奥にある副鼻腔が炎症を起こし、膿のような鼻水が出たり、顔面痛や頭痛を伴うことがあります。くしゃみも症状の一つとして現れることがあります。
- その他の感染症:まれに、インフルエンザなどの他の感染症でも、くしゃみが出ることがあります。
くしゃみの治療法
くしゃみの治療は、原因によって異なります。
1.風邪によるくしゃみの場合
- 対症療法:安静にして、水分補給を心がけます。必要に応じて、解熱鎮痛剤や咳止めなどの薬を使用します。
- 栄養補給:バランスの取れた食事をとり、免疫力を高めましょう。
2.アレルギー性鼻炎によるくしゃみの場合
- 抗アレルギー薬: 抗ヒスタミン薬やロイコトリエン受容体拮抗薬などの内服薬を使用します。
- ステロイド点鼻薬: 鼻の粘膜の炎症を抑える点鼻薬を使用します。
- アレルギーの原因物質を避ける: 花粉、ハウスダスト、ダニなどのアレルギーの原因物質をできるだけ避けるようにしましょう。
3.その他の原因によるくしゃみの場合
- 刺激物を避ける:タバコの煙や香水などの刺激物を避けましょう。
- ストレス解消:ストレスを溜めないように、適度な運動やリラックスする時間を作りましょう。
- 薬の調整:薬の副作用が疑われる場合は、医師に相談しましょう。
日常生活での注意点
- マスクの着用: くしゃみが出るときは、周りの人に感染させないようにマスクを着用しましょう。
- 手洗い: くしゃみをした後は、必ず手を洗いましょう。
- 室内の換気: 部屋の空気を入れ替え、清潔な状態を保ちましょう。
- 刺激物を避ける: 鼻の粘膜を刺激するようなものはできるだけ避けましょう。
まとめ
くしゃみは、私たちの体を守るための大切な防御反応の一つです。しかし、くしゃみが頻繁に出る場合は、何らかの原因がある可能性があります。くしゃみが続く場合は、自己判断せずに早めに耳鼻咽喉科を受診し、適切な診断と治療を受けるようにしましょう。
(お困りの際は、当院までご相談ください。適切な対応をさせていただきます。)